東京ジャーミィ
東京都渋谷区大山町1-19
暑い。
東京の夏は8月14日まで連続40日の真夏日が続き観測史上最高を記録した。15日に一転して10月下旬並みに寒くなった後、また暑さは戻ってきたが、見上げると秋の空になっている。暑さと青い空からアラビアンナイトを連想して、東京ジャーミィに行ってみた。
ジャーミィはトルコ語でモスク(イスラム教の礼拝堂)を指す。東京ジャーミィはオスマントルコ様式の堂々たる建築だが、狭い日本でビルに囲まれて窮屈そうだ。まっすぐな井の頭通りを走っていくと、遠くからミナレット(尖塔)が導いてくれる。
青い空に白い大理石がまぶしい。
サウジアラビアを初めとして、国旗に文字を書いている国がいくつかあるように、イスラム文化は文字の文化だ。アラビア文字はわれわれには絵のように見えるので気づきにくいが、ジャーミィの壁面はさまざまなカリグラフィーで飾られている。「これが全部日本語だったら」と想像したら、変な景色が見えてきて頭を振った。
見学ができるというので礼拝堂にお邪魔した。ムスリムは偶像礼拝を禁止しているので、礼拝堂には仏像やキリスト像のような彫像や宗教画はなく、一面に絨毯が敷かれて椅子もない。がらんとした空間に厳粛な空気が充満している。ドーム天井の華麗な絵模様やステンドグラスなど絢爛たる装飾はいくら見ても飽きる事がない。
写真撮影ができないので、目に焼き付けようとずっと上ばかり見ていたら、外に出たときちょっとめまいがした。