次大夫堀公園民家園のイワシ
東京都世田谷区喜多見5-27-14
「イワシの頭も信心から」と言うけれど、それを見たのは初めてだ。新装なった次大夫堀公園の鍛冶小屋の門口で見つけた。頭が刺してあるのはヒイラギの木で、その棘とイワシの生臭さで鬼を退散させるという。昔は節分にこのセットを飾る風習があったそうだ。
鍛冶小屋では鑿を作る鍛冶の実演をやっていた。切れ味を良くするための焼入の行程では、適温を見るために磁石を使うという。鉄は770度(キュリー温度)を越えると磁石に吸付かなくなるので、焼入の適温(760〜800度)の目安としてちょうどいいわけだ。ちょっと豆知識。
ここはいつ来ても楽しい。
特に行く当てもなく自転車に乗ると、野川を走って民家園の縁側で一息ついている自分を見つける。あれ、いつの間にここに来たんだろう、なんて。
自分には経験はないけれど、不思議な懐かしさを感じる民家の佇まいや行事の小道具に、遺伝子の中に組込まれているかもしれない何かが反応しているようだ。