羽村橋のケヤキ
東京都羽村市羽東3-18-1
羽村堰から多摩川上水沿いに下って、禅林寺方面へ折れる角に立派なケヤキの木がある。
崖の端に立っているので根が半分地表に出ていて、扇形に広がった根がしっかりと大地を掴んでいる感じが力強く、この地で永らえてきた欅の生命力を感じさせる。
大樹の写真を撮る時には、いつも無意識のうちに左のように振り仰いだ構図になってしまう。太陽に向って大きく枝を広げ、みずみずしく葉を光らせる若さへのあこがれ、風雪を耐えて永らえてきた力強い生命力への畏敬、そんな気持ちがないまぜになって高みを見上げる。時々、枝の先に天狗や得体の知れない木の精のようなものが腰掛けて、こちらを見下ろしているのが見えるような気がすることがある。わたしには想像のつかない何百年という時代を生きてきた古木には、そんな神秘的な雰囲気が感じられる。