切通しの坂
東京都渋谷区代々木代々木4-19
代々木公園から新宿方面へ走る途中をちょっと横にはいった所にある切通しの坂は、画家岸田劉生が重要文化財「道路と土手と塀(切通之写生)」(1915、東京国立近代美術館蔵)を描いた場所だ。
作品には荒れた赤土の坂と石垣の上の白壁、そして広い青空が描かれているが、もちろん現代の風景は遠くかけ離れてしまっている。
それでも坂の北側に建つマンションの一部には、石垣が取り込まれていて、当時のものか、あるいは画を意識してデザインとして取り入れたのかはわからないが、坂の上に続く寺院の白壁と合わせて、いい雰囲気を感じさせてくれる。
渋谷を走っていると、道ばたに立つ標柱をしばしば見かける。見過ごしてしまいそうにひっそりと立っていながら、意外な発見を教えてくれるので侮れない。