2002年2月24日(日)

府中高札場・札の辻

東京都府中市宮西町5-1-1

高札場

大國魂神社のくらやみ祭の際、深夜に出御した神輿が向かう御旅所は神社から数百メートルしか離れていない甲州街道と府中街道の角にある。ここは、古くから交通の要所として賑わっていた。

中久本店

人が集まるところは情報の発信源として有用だ。中世から江戸時代にかけて、御旅所の隅に立てられた高札場では、道行く人々に様々な規則や罪人の情報などを流していた。情報の質は異なるが、新宿東口や渋谷ハチ公前の巨大なスクリーンが現代の高札場だろうか。

甲州街道を挟んで建つ黒壁の蔵は、府中の地酒「國府鶴」(こうづる)の醸造元・野口酒造店の中久本店だ。

野口酒造店を営む野口家は、大國魂大神(大国主命)が初めて府中の地に渡られたときに一夜の宿を提供したと伝えられる旧家で、この故事にちなむ「野口仮屋の儀」がくらやみ祭の中で行われる。

今日はあいにく店を閉めていたが、蔵の中は感じの良い喫茶室になっている。

府中高札場の説明板 | 札の辻と問屋場跡の説明板