2003年3月30日(日)

熊野神社前交番

東京都新宿区西新宿2-11-3

熊野神社前交番

新宿中央公園の西側には昭和43年(1968)まで十二社(じゅうにそう)大池と呼ばれる池があり、江戸時代中頃から昭和初期にかけて船遊びなどができる景勝地として賑わったという。今でも「十二社池の下」「十二社池の上」のバス停の名にその名残を見ることができる。

都庁と熊野神社前交番

十二社池の下バス停のある熊野神社前交差点に建つ熊野神社前交番(警視庁新宿警察署)は、かわいいドームを載せた洋風のあずまやを彷彿とさせる形をしている。西洋の公園で池畔に建てられているあれだ。京王フローラルガーデン ANGEのポンドガーデンには、ベルサイユ宮殿の「愛の神殿」をモチーフにしたというあずまやがあるが、熊野神社前交番ではそれを二層にしている。

ビルが林立する今の景色からは昔の行楽風景は想像もできないが、交番の意匠の中にその記憶をとどめているかのようだ。

写真を撮っていたら勤番の巡査に声をかけられたので設計者を聞いてみたが、本庁で訊いてくれと素っ気なかった。竣工は平成元年(1989)。