2005年1月9日(日)

黒川清流公園(東豊田緑地保全地域)

東京都日野市東豊田3-16-1

雑木林

武蔵野の雑木林は、長い間、家庭に燃料を供給する役割を果たしてきた。囲炉裏で火を焚くことは、煮炊きや暖を取るばかりでなく、茅葺きの多かった時代には、燻蒸による屋根の保全にも役立っていた。

湧水の池

現代の我々にとって林は憩いや遊びの場の域を出ず、生活感を感じることはないけれど、こうして冬枯れの雑木林に立つと、見たこともない薪拾いのdejavuに囚われてしまう。ガサガサと落ち葉を踏む音が、大きくなったり小さくなったり、遠い昔から聞こえてくるように耳に響く。

犬の顔の形をした日野市の目の辺りにある黒川清流公園では、豊富な湧水と広い雑木林が、まだ保存のための隔離をするまでには至らずに市民生活と共存しているのがうれしい。

今の季節は、葉を落とした木の間から望む多摩丘陵の眺めがいい。夏には水遊びを楽しむ子供たちで賑わうことだろう。