用水路ラビリンス
神奈川県川崎市多摩区菅馬場2-19
多摩川対岸の川崎市多摩区から稲城市にかけた辺りには、二ヶ領用水、三沢川、大丸用水と、そこから分れた分水が縦横無尽に張り巡らされていて、田畑が少なくなった今も土地と人の心を潤して流れている。
用水ばかりではなく生活排水を流すどぶも含まれてはいるが、今も流れている現役の水路と、埋められて道になってしまったものとが入り乱れている中を彷徨うのがおもしろい。
細い道だと思っていたものが、水路にフタをした生活路だったりする。カタカタと小気味よい踏音を聞きながらラビリンスに分け入っていくと、流れが現れたり隠れたり道は自在に姿を変える。突き当たりかと思うと急に曲がって家と家の細い隙間を通れたり、梨畑が突然現れたり、農家の庭先に迷い込みそうになることもあってドキドキする。
方向を失って迷っても、それはそれ。