♪僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもう アポロ11号は月に行ったっていうのに…(ポルノグラフィティ、1999)
隣で息子がそんな歌を聞いています。
そうか、今の若者はあの感動を知らないんだなぁ、と思って古い資料を引っ張り出してきました。
まだワールドカップなんて知らなかった昔、TV中継のために初めて深夜まで起きていたのは、アポロの打ち上げを見るためでした。初めて新聞の1面がただ一つの記事で埋まったのを見たのは、アポロ11号が月面着陸を果たした日の夕刊です。あれから何十年も経った今でも、地の果ての世界遺産は見られても、月面を見ることはまだできません。あの時代に生きていた人たちだけの宝物です。
まだ世界最高のコンピュータでさえも、今のパソコンに及ばなかったような時に、月へ行こうと計画するエネルギーはどこから湧いてきたのでしょう。そう言うことを当たり前に思っていたあの時代は何だったのだろう、とふと思います。
我が家のTVはまだ白黒だったので、新聞で見る宇宙のカラー写真が楽しみでした。まっくらだと思っていた宇宙は意外に明るくて、宇宙船がきらきらと輝いていました。その明るさが、あのころの僕らの未来だったのです。