旧函館区公会堂

本屋でふと手に取った新書に「旧函館区公会堂」の写真を見つけて我が目を疑いました。地味な色づかいの多い文化遺産の写真の中で、ブルーグレーの下見板張りに黄色く縁取をした姿がキラキラと輝いていたからです。

驚いたのはその派手さだけではありません。わたしの記憶にある公会堂は、ピンクだったような気がします。雪の中で景色が全体に青みがかって見えることがありますが、そんな印刷間違いではないのかと思いました。

それで、昔の写真を引っ張り出してきたところです。

逆光なのでくすんで見えますが、確かに人形遊びの家のようなかわいいピンク色をしていました。

資料によれば昭和57年(1982)の修復工事の際に、創建当時の姿に戻したのが今の色なのだそうです。明治43年(1910)築、設計は小西朝次郎。

一緒に見つかったメモには7:30に連絡船を下りて、11:20の急行ニセコで札幌に発ったとありました。午前中の駆け足観光だったようです。通学する子どもたちが、雪の坂道をランドセルを載せたスノーボートを引いて登っていたのを思い出します。

Copyright 2005 nobish - Last update 2005.7.9.