三本足の乗り物に乗った異星人に地球が征服される話「トリポッド」(ジョン・クリストファー、ハヤカワ文庫)に、征服を免れた人々の隠れ家としてユングフラウヨッホが登場します。岩と雪に囲まれた過酷な極地にまで追いつめられたというのに、彼らにはあまり悲壮感は感じられません。と言うのも、ここには大きなホテルがあり、食糧や燃料の備蓄が十分にあって困ることがないからです。スイスのアルプス観光に懸けるエネルギーが人類を救ったということでしょうか。
登山鉄道の終点ユングフラウヨッホ(Jungfraujoch)は標高3454m。富士山の8合目とほぼ同じ高さにあります。
駅から岩と氷のトンネルを通って外(プラトー展望台)に出ると、一面の雪景色に今が8月だということを忘れました。左右の写真のとおり変わりやすい天気で、霧の中から時折姿を現す岩峰や、氷河に映る神秘的な光と影の模様を眺めて過ごします。
駅に併設された郵便局から、ウソのように晴れ上がった景色の絵葉書を投函しました。