高尾みころも霊堂
東京都八王子市狭間町1992
高尾の山里に金色に輝く怪しい建物は、地球防衛軍の秘密基地か、それとも宇宙からの侵略者が不時着したものか。池に映るその姿は、長く伸びたアンテナから発信される怪電波に揺れているようだ。
遠くからも目立つこの建物は、産業災害により殉職された人々を慰霊するために、労働福祉事業団が昭和47年(1972)6月に労災保険法施行20周年を記念して建立したものだ。設計を行った伊藤喜三郎建築研究所は病院・福祉関係を中心に仕事をしているようだが、古い作品リストにはこの近くの陵南公園付近に建てられた「オリンピック東京大会自転車競技場及び選手村」の名前が見えた。
拝殿に向かって右手の急な階段を登っていくと大きな菅原道真公の像が多摩御陵の方を向いて建っている。その先の高尾天神社からは高尾の町が一望できて気持ちがいい。さらに山道を辿っていくと、初沢城跡がある。