深沢二丁目広場(旧三田家住宅)
東京都世田谷区深沢2-13-13
駒沢オリンピック公園の南側の瀟洒な住宅街に、場違いな長屋門と寄棟造の大きな民家が大きな木々に囲まれてひっそりと建っている。
明治22年(1889)築とそれほど古くはないが、主である三田家は先代の弥兵衛氏で16代目と言うからそれなりの旧家だ。長屋門があるところから見ても、格式のある家柄であったようだ。
駒沢オリンピック公園は、戦前は東京ゴルフ倶楽部の駒沢ゴルフ場として政財界の社交場となっていた。管理人の方のお話によると、もとは大切山(でんぎりやま)とよばれていたこの地にそのゴルフ場を誘致したのがこの三田家であったという。わずか6コースではあったが、日本人によって日本人向けに作られた初めてのゴルフ場として大正3年(1914)から昭和7年(1918)年までこの地にあった。
そんなこととも関係あるのか、中に一室ステンドグラスのある洋間があった。もとは土間であったものを、戦後に改造したという。農家と言っても、このあたりならそんなハイカラな趣味もあったのかと興味深く見せていただいた。
※ 平成21年(2009)2月17日に発生した火事により焼失。 長屋門は残っています。