2003年7月27日(日)

善福寺公園

東京都杉並区善福寺3-18(上池)/ 2-31(下池)

睡蓮

久しぶりに青空がのぞいた。

水面(みなも)に映った雲が静かに流れていく。睡蓮の葉を縁取った光が時折砕けて、その雲の影を乱して散った。

善福寺公園は善福寺川の水源になる大きな二つの池から構成されている。ボート遊びやジョギングを楽しむ人で賑わい活気のある上池に対して、一面をヨシやマコモと睡蓮に覆われて木立の中に眠る下池は、静かで思索的な雰囲気に満ちている。

水鳥

孫と遊ぶお年寄りや写生する小学生にまじって、下池の池畔のベンチに座ってぼんやりした。倉敷の大原美術館で見たモネの睡蓮は、空に浮かんでいるかのように見えたなぁと思いだす。

フランス・ジヴェルニーのクロード・モネ美術館(モネの家)には、大きな睡蓮の池があるという。晩年、モネがこの庭の睡蓮を描き続けた連作からは、庭園と睡蓮と池と空の境が判然としない、ある種幽玄ともいえる東洋的な味わいが感じられる。

何がモネに何枚もの睡蓮を描かせたのか。わかるようなわからないような気分のまま、水面の光の戯れを見ていた。