2004年11月20日(土)

中田遺跡公園

東京都八王子市中野山王3-12

復元住居

映画ジュラシックパーク(1993:監督Steven Spielberg)で、主人公たちがはじめて生きた恐竜に出会うシーンは、湖に集まる恐竜たちの群を映し出していた。恐竜ならずとも、大小、強弱の入り交じった様々な生き物が水辺に集まる光景は、平和な社会の象徴としてたびたび引用されるイメージだ。

水はすべての生命にとってかけがえのないものであるが故に、それをめぐって争うのか、分け合って共存するのかが問われるのだ。

交通公園

今も水辺は人々を引きつける。サイクリスト達は好んで川沿いの道を走り、言葉少ない恋人達は橋の欄干にもたれてきらめく川面をじっと見つめる。しかしそれは生きるために水辺に集まった動物たちや、昔の人々とはちょっと違う。

いつしか川は行政区域の境界として町のはずれに追いやられ、水の流れを中心に人が集まり生活をしていた時代は過去のものとなってしまった。いわゆる災害対策と称して護岸をコンクリートで固められた姿は限りなく悲しい。

身近にありながら生活には何も関わってこない、近くて遠い川との関係に一抹の寂しさをおぼえてしまうのは、秋ゆえの感傷か。遺跡公園の横を流れる川口川の流れを見ながら、そんなことを思った。

八王子市教育委員会の説明板