お盆の送り
東京都府中市白糸台
車返しの本願寺前でにぎやかなお盆のお供えを見つけた。うちの周りでは8月13日に簡単になすときゅうりの牛馬を供えるぐらいだが、賽の目に切られたなすを蓮の葉に盛ったものや金銀の盆花が供えられ、ほかにもそれらしい様々なものが用意されている。
別のところでは簀が敷かれていたり、藁を編んだ七夕馬や笹竹が供えられていたりと今までに見たことのない供えかたをしていた。きゅうりとなすの牛馬すらほかではほとんど見かけなくなったと言うのに、ここまで本格的に行われている様には感動する。
左の写真は一緒に置かれていたほおずきのオレンジ色に目を惹かれて撮ったものだが、よく見ると牛馬に振り分け荷物のようにティーバッグが掛けられている。ご先祖様を気持ちよく迎えようと言う、それぞれの家庭の工夫が興味深い。
府中では、7月15日を中心に行う「東京盆」、7月31日〜8月1日頃に行う「府中盆」、そして8月13日〜15日に行うものと、お盆の期日が3種類ある。旧暦(太陰暦)の7月15日に行っていたものを、新暦(太陽暦)に読みかえた時に7月のままで行くか、一ヶ月ずらすかと言う選択があったようだが、7月31日〜8月1日頃に行うのは府中に独特のものらしい。かつて養蚕が盛んだった頃、養蚕農家にとって都合の良い日という事で明治以降に始まったものだそうだ。