2005年8月26日(金)

小田原市郷土文化館

神奈川県小田原市城内7-8

小田原市郷土文化館

小田原城址公園南曲輪に建つ郷土文化館は、建物の前で枝を広げる大きなクスノキの陰に隠れて、うっかりしていると通り過ぎてしまいそうだが、城址公園を訪ねたらぜひ訪れておきたい。

歴史、文化、民俗史料など、一般的な郷土博物館としての展示もさることながら、なんといっても目を惹くのは、二階にある小田原の自然に関するコーナーだ。

二の丸観光案内所

小田原に棲む動物の標本がずらりと並ぶ部屋には、タヌキなどの剥製や昆虫の標本のみならず、相模湾の魚類までもが並べられている。標本なのか剥製なのかわからないが、魚や蝦蟹の乾いた姿を見るのは珍しい。

「甲子園の優勝旗が箱根の関を越える」などという言い方をされるように、富士・箱根は色々なものの境界として認識されることが多い。動植物にもここを境に分布が変る例が多数報告されており、その一部をここで見ることができる。

郷土文化館を出てお堀を渡った二の丸広場にある、下見板張りの洋館風に入母屋破風をしつらえた二の丸観光案内所も面白い。昭和8年(1933)に元は小田原町図書館として竣工した建物で、郷土文化館が現在地に建つ前はこの建物が使われていたそうだ。