2001年10月7日(日) | (2015年5月6日(水))

太田塚

東京都調布市下石原3-50

ひさしのように飛び出した木

府中崖線に平行して走る品川通りと鶴川街道の交差点の一つ西側にある交差点には「太田塚」という名前が付いている。交差点の南西にあるこんもりとした森がその太田塚だ。

太田塚

太田道灌の弟資忠の子孫を称する旧家太田家の墓所だという。永禄2年(1559)の「小田原衆所領役帳」によれば、道灌の曾孫の新六郎(康資)がこのあたり(石原)に所領を持っていたと言うから何か関係がありそうだ。

「東京珍景録(新潮文庫)」で林望さんは「祟りをおそれて道路工事の手が及んでいない」と書かれているが、ちょっと覗いてみると真新しい墓石を含む何基かが並んでいて今も代々の墓所として機能しているらしいことがわかる。

そう言う意味では、今拡幅工事中の鶴川街道に一ヶ所立ち退きが済んでいないところがある。家が残っているばかりか大きな木が道に庇のように張り出していてトンネルのようだ。

いずれ無くなる風景だとは思うが、おもしろくて、ちょっと惜しい気がする。

※ 2002年10月現在、庇の木は撤去されて鶴川街道は広くなりました

※ 2015年5月、「道路工事の手が及んでいない」と言われていた部分が切り取られて歩道になり、木も伐られてお墓がむき出しになっていました

2015年5月の太田塚