おうかん公園
東京都調布市国領町8-4
野川を南から走ってきて、京王線をくぐる手前の西側に古くて小さな団地がある。都営金子アパートと公団国領住宅だ。
多摩川住宅同様、30年以上たって住宅内の木々が大きく生長しているので少し暗いけれど、しっとりした静けさが感じられる。子供の頃ここのおうかん公園でよく遊んだ。
王冠をかぶった滑る山に駆け上がる。靴を履いていては、まずのぼれない。力のない小さい子はまずトンネルの上へ駆け上がり、そこからまた上へ挑戦する。たわいない遊びなのだが、僕らにとってはこの王冠の山が征服すべきヒマラヤの高峰のように思えたものだった。
公園の周りの塀は入り口のところが低くなっていて上りやすい。デザイン的には公園の開放感を演出し、外からでも子供たちの遊ぶ姿が見られるようにということなのかもしれないが、公園の中に不思議な支線があって、これは誰がどう考えたって登れと言っている。平均台なのだ。
毎日のようにおっかなびっくり塀の上を歩いて公園を一周した日々が思い出される。
※ 平成18年(2006)、国領住宅のマンション建替え工事が始まり、おうかん公園は無くなってしまいました。