2005年8月6日(土)

猿島要塞

神奈川県横須賀市猿島

要塞の奥

朝のニュースで、ロシアの潜水艦が浮上できなくなり英米日の救援艦が現地へ向かっていると伝えていた。酸素の残りは1日しか無いという。極限状態に閉じこめられた人々のことを思って戦慄した。

最深部

猿島要塞は明治時代の軍事施設で、兵舎や弾薬庫のすべてが地下に造られている。実際には使用されることはなかったと言うが、潜水艦のように逃げ場のない孤島で、地下に潜んで戦う兵士の気分はどんなものだろうか。

昔見た映画「地下水道(KANAL)」(監督:アンジェイ・ワイダ Andrzej Wajda、1956)は怖かった。出口のない、あっても出られない地下水道を逃げまどうレジスタンスの絶望に涙し、それでも生きようとする人々の意志に胸を打たれたことを思い出す。

要塞は廃墟となり、深い緑が全体を覆っている。一瞬、かつて南方の島で繰り広げられた戦争の記憶がここに繋がり、デジャビュ(dejavu)となって現れたような錯覚にめまいがした。


※ その後のニュースによると、潜水艦は無事救出されたそうです。

猿島要塞の説明