2004年4月3日(土)

仙川駅前の桜

東京都調布市仙川町1-19

仙川駅前の桜

昔のNHK大河ドラマに「樅の木は残った」というのがあった(山本周五郎原作・昭和45年(1970)放送)。仙台藩のお家騒動を描いた作品だったが、それに倣って言えば、平成12年(2000)秋、京王線仙川駅前再開発に際して「桜の木は残った」と伝えられる騒動があった。

駅前広場

仙川駅前にあった2本の木を守るために市民運動が展開され、新聞やTVでも紹介されて東京中の耳目を集めた桜が、今年も花開いて人々の目を楽しませている。桜を残した市民のやさしい気持が街づくりにも生かされて、仙川は楽しい街になった。

桜に送られて駅に向う人も、桜に迎えられて降立つ人も、心なしか表情が明るく見える。女学生たちがうれしそうに記念写真を撮る横で、梶井基次郎よろしく「樹の下の屍体」のことを考えているかのように静かに座り続ける若者がいたりしておもしろい。

学園都市仙川の玄関口にあって、春ごとに若者たちの門出を祝うように咲き続けて欲しいと思う。

(参考)2004年の東京の桜開花宣言は、3月18日でした。