2004年8月21日(土)

渋谷公会堂

東京都渋谷区宇田川町1-1

渋谷公会堂

アテネオリンピック(第28回大会)で日本は開会式翌日(8月14日)の柔道女子48キロ級谷亮子から連日の金メダルラッシュで、21日現在金12銀5銅5を獲得し、1972年ミュンヘン大会の金13銀8銅8に迫り、過去最高の東京大会(金16銀5銅8)以来の記録をうち立てようとしている(※)。

今回は柔道と水泳の躍進がめざましいが、東京大会の時は体操とレスリングが話題の中心だった。その次に活躍したのが参加7選手全員が入賞を果たした重量挙げ(ウェイトリフティング)だ。

大会3日目の昭和39年(1964)10月12日、重量挙げフェザー級の三宅義信はプレス、スナッチ、ジャークそれぞれで最高記録をだし、Total397.5kgの世界新(当時)で日本に第1号の金メダルをもたらした。三宅は次のメキシコ大会でも金を取り、銅メダルを取った弟の義行と並んで表彰台に上がった姿がうり二つだったので話題になったらしい。アテネには、その義行の長女三宅宏実が重量挙げ女子に出場する。

会場となった渋谷公会堂は、この重量挙げ競技のために建設された(設計:建設モード研究所)。この会場から、さらにバンタム級一ノ関史郎(347.5kg)、ミドル級大内仁(437.5kg)の二つの銅メダルが生まれている。選手はもちろん見ている方も力のはいる競技に、会場は連日熱気に包まれた。

現在の渋谷公会堂はコンサート会場として有名になり、今日も「モーニング娘。」のコンサートでごった返していた。柔道場を無理矢理コンサート会場にしている武道館と違い、舞台と客席が向き合うおよそスポーツ施設らしからぬつくりから、いまやその由来を想像するのは難しい。

形は変わったが、今も公会堂は熱気に包まれている。

※ 最終日を終えて日本のメダル獲得は金16銀9銅12の37で、金メダルでは過去最高だった東京大会に並び、総獲得数では第23回ロサンゼルス大会(1984)の32(金10銀8銅14)を越えて歴代一位。 重量挙げ女子・48キロ級の三宅宏美は9位だった。(8/30追記)

※ 渋谷区総合庁舎建て替えに伴い2016年に解体されました