2005年3月5日(土)

Ship - 世田谷公衆トイレ

東京都世田谷区世田谷1-48

内装

尾籠な話で恐縮だが、札幌には大空に向かってする気分の味わえる展望トイレがあると聞く。ここを使用した人は皆、「男に生まれて良かった!」と思うとか。一度行ってみたいと思いつつ果たせないでいる。

ship

それとは趣が違うけれど、世田谷代官屋敷に近い交差点の角にある公衆トイレもなかなか個性的だ。

“Ship”という名の通り平面が紡錘形の船の形をして、軽やかに風に向かって建っている。二階が普通のさわやかトイレ、一階は車椅子でも入れるゆったりトイレで、公衆電話やベンチもある。

中にはいるとガラスブロックを通して射込む光があふれていて、ハッとする程の明るさに思わず口元が緩む。色の付いたところは窓になっていて、狭い空間を閉塞感から救っている。覗いてみると交差点のはす向かいのポケットパークから、小人たちに囲まれた白雪姫がこっちを見ていた。

設計はオデッセイ オブ イスカ(溝渕一真)。昭和63年(1988)の世田谷トイレコンペで一席になった作品だ。