2005年11月5日(土)

首都高

東京都渋谷区代々木4-30

西参道口

人類ではじめて宇宙飛行を経験したユーリ・ガガーリン(ボストーク1号、1961)は「地球は青かった」と言い、初の女性宇宙飛行士ワレンチナ・テレシコワ(ボストーク6号、1963)は「私はかもめ」という言葉を残した。字面だけを見ればなんと言うこともない言葉だが、宇宙から発せられると深遠な意味を持っているかのように感じられてしまうのが不思議だ。

西参道口交差点

どちらも旧ソビエト連邦の宇宙飛行士だが、そのソ連の代表的なSF映画「惑星ソラリス(SOLARIS、監督:アンドレイ・タルコフスキー、1972)」に、東京の首都高速道路でロケをしたシーンがある。“ハイウェイ”の語感が持つ爽快さとはうらはらに、タルコフスキーが描く未来都市の道路は暗くグニャグニャとして映画全体を覆う不安感そのままだ。

甲州街道の新宿から環八の手前までの区間を車で走ると、頭上を首都高速の蓋が覆い、交差する道はトンネルや陸橋でやり過ごす。その感じが映画のシーンにだぶって、私はいつも不安になる。