姿見の池
東京都国分寺市西恋ヶ窪1-8
「自然を大切にしよう」と誰もが言うけれど、我々の護ろうとしている自然は人間の手の入らない野生ではなく、田畑が広がり里山がある先祖がつくってきたふるさとの風景だ、と誰かが言っていた。そう言われればそんな気もする。
国分寺姿見の池緑地保全地域に復元された恋ヶ窪用水の流れを見た時、童謡「春の小川」を歌いながら思い浮かべていた景色はこんなだったかなと感じた。子供の頃カエルやミズスマシと遊んだ小川は、そう言えば田んぼの脇を流れる用水だった。
澄んだ小川の流れとは対照的に、鎌倉時代の悲恋の伝説が残る姿見の池は、粘土でねずみ色に沈んでいた。子供たちはそんなことにはお構いなしに魚取りや水遊びに興じている。濁っている方が、何かがいそうな感じがするのかも知れない。