川越道緑地古民家園
東京都立川市幸町4-65
多摩都市モノレールに「砂川七番」と言う駅がある。“麻布十番”みたいでちょっと粋な感じがする。
砂川は玉川上水の水利を利用した新田開発によって五日市街道に沿って開けた集落で、街道に沿って西から一番から十番までの地番がついていた。砂川町(砂川村)は昭和38年(1963)に立川町(旧柴崎村)と合併して立川市になり、柏町や幸町に名前を変えたが、モノレール駅のほか五日市街道のバス停や交差点にその名を残している。
砂川には今でも大きな屋敷を構えた旧家が多く、その中の一つだった小林家の住宅が砂川八番の川越道緑地古民家園に移築(もとは九番にあった)保存されている。
門をくぐると武家屋敷に匹敵する高い格式を持つとされる堂々とした作りに圧倒される。ちょうど屋根の葺き替えの工事中だった。ちょっと殺風景な庭の片隅で、春の準備を始めた杏の枝が赤く染まっている。
中では地元の人達から寄贈されたひな人形の展示が行われていた。古くは明治30年代(1900年頃)のものから大正・昭和と歴代の人形が勢揃いしたようすに、訪れたそれぞれの時代の娘さん達から歓声があがっていた。