川原の柳
東京都多摩市関戸(関戸橋下流側)
陽気が暖かくなり、世界に春の気分があふれている。柳の新芽が芽吹き始めた。青空に緑の雨垂れがきらめいている。
関戸橋を渡っていて、広い川原の真ん中に大きな柳の木が立っているのを見つけた。何度となく見ている景色なのに、どうして今まで気がつかなかったのだろう。
度重なる増水にも耐えてまた今年も新芽をだし、「俺は生きてるぞ〜!!」と声をあげたのが聞こえたのかも知れない。
幾多の嵐が枝をなぶり、その根を洗っていったことだろう。たくさんのゴミや草のくずが根方に絡みついている。それこそ「柳に風」と受け流してきた、そのたくましさに励まされて帰路についた。
※ 河川工事のため、惜しくもこの年の12月に伐られてしまいました。