2004年10月22日(金)

代々木八幡宮

東京都渋谷区代々木5-1-1

代々木八幡宮

小田急線代々木八幡駅前の高台に立つ八幡宮は、鎌倉時代初期、建暦2年(1212)に創建された古社で、以来代々木の人々の生活を見守ってきた。

参道に立つ大きな石燈籠は「訣別の碑」といい、現在の代々木公園のある一帯が陸軍の練兵場として接収された際に、立ち退きを命ぜられた人々が別れを惜しんで奉納したものだ。陸軍が解散しても土地は帰ってこなかったが、燈籠は彼らのふるさとの拠所として今もこの地にとどまっている。

境内は縄文時代の遺跡の跡でもあり、竪穴式の復元住居が建っている。今は鬱蒼とした鎮守の森も、かつては見晴らしの良い高台であったことだろう。遠く西の彼方に富士を望み、東方には東京湾も見えたかも知れない。眺めのよい高級住宅街だったのかもしれない。

自転車で走っていると、大きな手のひらで地面を撫でるように地形図そのままの土地の起伏を肌で感じる。道の上り下りに、ビルに隠れた谷や丘を見つけて驚くこともある。

縄文時代の人々の見た、ビルも道路もない武蔵野はどんなふうだったのだろうか。

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