2005年3月14日(月)

遊就館

東京都千代田区九段北3-1-1

全景

國神社境内にある軍事博物館・遊就館の前庭に大砲の砲身がいくつか展示してある。「加農砲」と説明にあるのが「キャノン砲(cannon)」の事だと気づくのに、ずいぶんと時間がかかった。それが実際に使われている現場を想像して、農地のように広い場所を漠然と思い浮かべていたのだ。

零戦

戦時中、敵性外来語が禁止され、たとえば野球では「ストライク」→「よし一本」、「アウト」→「だめ」などの言い換えがされたという。敵を撃つ兵器の名前が外国語ではしまらないとはいえ、音を漢字にしただけの「加農砲」とは芸がない。

最近も独立行政法人国立国語研究所から“「外来語」言い換え提案”が発表され、「アカウンタビリティー(accountability)」を「説明責任」などと言い換える例が提案されているが、明治時代に「カルチャー(culture)」を「文化」と訳したような良いものはなかなかでてこないようだ。

前庭にはもう一つ目を惹く展示がある。軍犬慰霊像、戦没馬慰霊(像)、鳩魂塔がそれだ。兵士を助けて戦場で働いた動物たちを慰霊するものだが、平和の象徴とされる鳩までが電信の代わりに従軍したことに胸が痛む。

建物は伊藤忠太・内藤太郎・柳井平八の設計により、昭和6年(1931)に建てられた。