とっくりクス
東京都世田谷区等々力3-27-7（玉川神社）
最近“メタボリック症候群(Metabolic Syndrome)”と言う言葉が喧伝されている。今や肥満は要注意ではなく悪であるらしい。
幸い私はここ数十年5kg以上の体重の増減を経験したことがないので肥満ではないと思うのだが、重さは変わらなくても中身が変わって、筋肉は確実に脂肪になっているだろうから気をつけるに越したことはなさそうだ。
等々力渓谷から北へ上がった玉川神社には、「とっくりクス」と呼ばれるちょっと肥満気味のクスノキがある。下ぶくれのいわゆる“洋ナシ型”は皮下脂肪によるもので、内臓脂肪蓄積型のメタボリックとは区別されているが、木の場合はどういう原因によるものなのだろうか。元気に葉を茂らせているところを見ると、それほど深刻なことはなさそうだが…。
境内に獅子の子落としを模した石獅子があった。岩山には雑草が生い茂り獅子の棲処にはふさわしくないような感じがするが、その分「千尋の谷に子を突き落とす」という厳しいイメージはいくぶんか和らいで、ちょっと救われた気がした。