旧近衛師団司令部庁舎
東京都千代田区北の丸公園1-1(東京国立近代美術館工芸館)
北の丸公園の南端、皇居乾門に向い合って赤煉瓦の洋館が建っている。明治以降の工芸及びデザイン作品を展示している東京国立近代美術館工芸館だ。
この建物は旧近衛師団司令部庁舎を保存・再利用しているもので、明治43年(1910)に陸軍技師・田村鎮(やすし)の設計によって建てられた。
瀟洒なたたずまいとは裏腹に、昭和20年(1945)8月15日の終戦の日には、戦争継続を主張する青年将校らが師団長森赳を銃殺して蜂起した宮城事件の舞台にもなっている。彼らは、終戦の詔勅を録音した玉音盤を東京放送局(現NHK)から奪おうとしたが鎮圧され、太平洋戦争は終わりを迎えた。
※ 工芸館の機能は2020年に金沢に移転しました