玉音盤
東京都港区愛宕2-1-1(NHK放送博物館)
終戦のあの日、昭和天皇も玉音放送を聞いたことを初めて知った。
昭和20年(1945)8月15日、天皇裕仁が「終戦の詔書」を読み上げた、あの「…堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ…」という歴史的なラジオ放送だ。
放送は生放送ではなく、前日のうちに正副2組4枚のレコード(SP)盤に録音されたので本人も聴くことができたのだが、この音盤を巡って、徹底抗戦を主張する青年将校らが放送阻止を狙って蜂起したことが伝えられている。宮城事件と呼ばれるこのクーデター未遂事件は、のちに映画「日本のいちばん長い日」(監督:岡本喜八、1967)となって有名になった。
愛宕山のNHK放送博物館では、紫外・赤外線カットガラスで覆われ、窒素ガスを封入したシールドケースに納められ、摂氏4度に保たれた状態でこの玉音盤が展示されている。隣に置かれているのは、昭和天皇が玉音放送を聞いたラジオ(米RCAビクター製6球スーパー)の同型機だ(実物は国営昭和記念公園の昭和天皇記念館に展示)。
愛宕山を下りた所にある青松寺には、事件の記憶を今に伝える国体護持孤忠留魂之碑が建っている。