小野照崎神社(下谷坂本富士)
東京都台東区下谷2-13-14
バケツをひっくり返したような激しい雨に襲われて小野照崎神社の境内に逃込んだ。猫の額ほどの境内は大きな木々に覆われて、バケツの水がじょうろの水ぐらいに弱くなる。御輿蔵のひさしを借りて一息ついた。
国指定文化財の富士塚があるというので、広くて開放的な景色を想像していたのだが、実際は下町の路地裏のような狭くて暗い感じが、雷雨のためにさらに暗くなって写真を撮ることもままならない。
境内の稲荷神社では蛇のような体をした狐が狛犬の代りに社を守り、富士塚の門前には猿と河童の合いの子のような不気味な動物がうずくまっている。普段ならかわいく見える狛犬(明和元年(1764))も別の生き物のように見える。「もしかしたら生きているのかも」感がいつもより強い。
隙を見せたら襲われそうな薄気味悪い感じがして、首をすくめて天を仰いだ。雨はまだまだ止みそうもない…。