2007年6月3日(日)

猿ヶ辻

京都府京都市上京区京都御苑 (京都御所)

猿ヶ辻

同志社大学前の今出川御門から京都御苑へはいったところに、「猿ヶ辻」と呼ばれる場所がある。公園の中で“辻”とは場違いな感じがするが、元々御所のまわりは公家の住いがひしめく住宅地で、御所の北東の角にあたるこの辺も細い道が交差する普通の辻であったようだ。

道

今の開放的な雰囲気からは想像も出来ないが、幕末には攘夷派の公家が暗殺された事件の現場でもあり、物陰に隠れても気づかないような場所だったのだろう。

御所の軒下には金網が掛けられ、名前の由来になった猿が閉じこめられている。夜になるとあたりをうろついていたずらをするからだという。

金網というものがどのくらい昔からあるのかわからないが、今掛けられている亀甲目のものは新しそうだ。木彫の猿が夜に生返るという前近代的な話と、工業製品っぽい金網の取り合せが何ともおもしろい「猿ヶ辻の変」だった。

(右の写真は猿ヶ辻ではありません。御苑の砂利道についた自転車の轍がおもしろくて撮りました。)

猿ヶ辻の由来