雑司ヶ谷鬼子母神
東京都豊島区雑司が谷3-15-20
武蔵野・多摩地域ではどこにでもあるケヤキの大木も、都心で見るのは珍しい。池袋の繁華街から少しだけ離れた雑司ヶ谷には、東京都の天然記念物に指定されたケヤキ並木と一緒に昔懐かしい景色も残っている。
池袋が「いけふくろう」の街になる前から、雑司ヶ谷の鬼子母神ではススキの穂で作ったミミズクの人形が有名だった。都会の喧噪を離れ、「ビジネス」とか「IT」とかいうカタカナ語には無縁そうなこの町には、ススキミミズクのふわっとした愛くるしさがよく似合う。
境内には江戸時代から続くといわれる駄菓子屋さんがあり、写真を撮っていたわずかの間にも何人もの子どもが走ってきた。もちろん彼らはハナなんか垂らしていないし、ポケットには携帯ゲーム機が入っていることだろう。大人の都合の良いノスタルジーにはつきあってくれそうにないが、駄菓子屋のおばちゃんと会話するときに見せる笑顔やはにかみは、昔も今も変らないように思えた。