御霊神社の狛犬
東京都八王子市館町1271
湯殿川の上流は遊歩道も消え、集落のあいだの細い道を行くようになる。やがて木立に囲まれた御霊神社が現れた。
社殿も鳥居も新しく見るものもないかと思いきや、社殿を囲む玉垣の内側に、獅子山に乗った狛犬が見えたので立寄ることにした。獅子の子落としを狛犬に仕立てたもののようだが、肝心の子どもが見あたらない。岩の周りを白州が囲んでいるところは、海の真ん中で立往生しているようにも見えて、なんだかおかしい。大正十年の銘があった。
境内の碑史には、祭神である鎌倉権五郎景政は前九年の役に16才で出陣し、後三年の役の際にこの地で没したとあった。一般に伝えられている、後三年の役に16才で出陣し、右目を矢で射られながらも奮戦したという話とは違っているところがおもしろい。ちなみに、刺さった矢を抜くために顔に足をかけられて怒ったという話が有名だが、ここには伝わっていないようだった。