2007年12月8日(土)

玉鹿石(太宰治を偲ぶ無銘碑)

東京都三鷹市下連雀3-3-50

玉鹿石

井の頭公園から玉川上水に沿ってJR三鷹駅へ向って行く道は「風の散歩道」という。今の季節は紅葉に彩られ、途中には門前に「路傍の石」が置かれた山本有三記念館もあって、読書の秋の気分にぴったりの道だ。

その中ほどにあるむらさき橋を過ぎて三鷹方面へしばらく行くと、歩道の脇に玉鹿石(ぎょっかせき)という大きな石がポツンと置いてあるのに出会う。「青森県北津軽郡金木町産 1996年(平成8年)6月」と書かれたプレートが添えられているだけで、何の説明もない。近くのポケットパークには玉川上水の畔で物憂げに流れに目をやる太宰治の写真が…。

北津軽郡金木町(現五所川原市)は太宰治のふるさとだ。

よく知られているように、太宰は昭和23年(1948)に山崎富栄と玉川上水で入水心中して亡くなった。その入水地点がこの石の近くなのだという。遺族への配慮から、詳しい説明を避け、玉鹿石は太宰治を偲ぶ無名碑としてここに置かれている。

ポケットパークのプレート