人里のしだれ桜
東京都西多摩郡檜原村人里1688付近 (人里バス停)
人里と書いて「へんぼり」と読む。難読地名で有名な人里のバス停は、しだれ桜に包まれていた。
「人里バス停待合所」と書かれた額を掲げた山小屋風の建物が山里の景色に溶け込んでいる。ここへ来るまで走ってきた檜原街道沿いのバス停は、みな山小屋風だったけれど、ここのは特に手が込んでいるようだ。
中のベンチに座ると、沢にしだれる桜が窓ガラス越しに見えた。バス待ちにしては贅沢な眺めにしばしうっとりとする。
向いの空地でだべっていたおじさんたちの輪に割込んできたおばさんが、「きれいな桜だねぇ。檜原で一番かもしれないよ。」と言っていた。小さな木ではあるけれど、確かに見ていて飽きることがなかった。
ところでこの「人里(へんぼり)」と言う地名について、由来は諸説あるようだが、新編武蔵風土記稿では古老の話として、「人」は「へ」を書き誤ったもので、「へんぽつり」を略した呼び名だという説を紹介している。辺境の地(へん)にぽつりとある、ということか。なるほど、一理あるかもしれない。
それにしてもずいぶんと遠くまで来てしまった。桜を見て、ここまで登ってきた疲れは吹飛んだけれど、さすがに帰り道の分をチャラにはできなかった。
(参考)2008年の東京の桜開花宣言は、3月22日でした。