亀戸天神のフジ
東京都江東区亀戸3-6-1
天神様と言えば梅。各地の天満宮(天神社)には立派な梅園があって観光名所となっているけれど、亀戸天神社は東京一と言われるフジが有名だ。
浮世絵師安藤広重の「名所江戸百景」の「亀戸天神境内」と題された作品には長々と下がる藤の花と立派な太鼓橋が描かれている。同じシリーズにはゴッホが模写したことでも有名な「亀戸梅屋敷」という絵があるが、亀戸天神の北にあったこの梅園は、明治時代の水害で失われてしまったそうだ。
さすがに昔からの名所らしく、まだ朝の10時前だというのに見物客が大勢詰めかけてにぎやかだ。くず餅で有名な船橋屋には観光バスが横付されて続々と人が降りてくる。
フジは立派で良かったのだけれど、たくさんの屋台から立ちのぼる焼きそばやら鮎の塩焼やらの匂いが境内に充満して、フジの芳香が消されてしまっていたのが残念だった。