三鷹中央通り文学碑
東京都三鷹市下連雀3-28〜30
夏休みになった。といっても休みなのは学生たちだけで、社会人には何の関係もないけれど、なぜか7月20日になると夏休み気分になって、これから8月末まであまり仕事が手に付かなくなってくる。
この時期になると決って本屋の店先には、「○○文庫の百冊」といった夏休みの読書感想文用の本が平積みになる。その百冊の組合わせも私が学生だった頃とはずいぶんと変っているけれど、太宰治の人気はいまだにそれなりのものがあるらしい。その太宰は、今年が没後六十年、来年が生誕百年だそうだ。
JR三鷹駅南口からまっすぐに伸びる中央通りには、三鷹市ゆかりの文人たちの碑が並んでいる。三木露風「赤とんぼの碑」、武者小路実篤「地球を支える手と人間萬歳」、山本有三「未来をみつめる二少年像(生きとし生けるもの)」、一人一人に特徴的なデザインの碑が建てられているが、太宰治の「斜陽」をモチーフにした「本のレリーフ」の碑だけは、亀井勝一郎(無頼派の祈り)と連名になっている。
実は、無頼派でならした太宰の評判は地元では芳しくなく、単独の文学碑を建てることに反対する人が多かった、…のだそうだ。