巾着田曼珠沙華公園
埼玉県日高市大字高麗本郷125-2
高麗川の巾着田(きんちゃくだ)は、全国でも有数のヒガンバナ(曼珠沙華)の群生地として有名だ。川がひらがなの「ひ」の字の形に曲がった様子が、巾着に似ていることからその名がついた。
そのひの字の内側の田んぼ(今は耕作していない)のまわりを取り囲む林の中に、真っ赤なヒガンバナの群落が広がっている。広さ約5.5ha。休耕田を公園化するために人為的に植えたものではなく、自然に株を増やして自生しているというから驚きだ。
小雨がぱらつく林の中は薄暗く、一面に咲くヒガンバナは妖しい雰囲気を醸し出している。同じ赤でもチューリップやバラとは違う、ちょっと薄気味悪い色だ。観光客の賑わいが去り、一人でこの林の中に取り残されたら戦慄してしまうだろう。
園の中ほどで何本かが立ち木に寄生しているのを見つけた。ヒガンバナは種ではなく球根から育つということだが、いったいどうやって球根が木の上に登ったのだろう。薄気味悪さはさらにつのっていく。