傘の碑
東京都江戸川区東小岩2-24-2(善養寺)
影向の松に惹かれて訪れた善養寺は菊祭の真っ最中だった。菊の花なんて爺むさいと思っていたけれど、よく丹精された花はなかなかにきれいで良い眺めだ。これも悪くないかなと思うのは、わたしも爺むさい歳になったと言うことか。
菊花展の会場になっている境内に入る山門の手前に大きな碑が建っている。傍らの説明に「傘の碑」とあった。小岩はそのむかし和傘産業が盛んだったという。その中で功績のあった川野竹松という人を顕彰する碑だという。
わたしの友人は大学受験に失敗したとき、「オレも傘張りだよ」と嘆いていた。時代劇にたびたび登場する、傘張りの内職をする“浪人”にかけた隠語だったのだ。記念碑の解説に傘張り浪人の話を見つけて、数十年会っていない彼の顔を思い出した。元気でいるだろうか。
となりにはひっそりと小さな浅間山噴火犠牲者供養碑。境内には特攻隊に関連した特操顕彰の碑が建っていた。
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