雑司ヶ谷鬼子母神の秋
東京都豊島区雑司が谷3-15-20
鬼子母神は安産・子育の神様だ。もとは子供をバリバリと喰う鬼だったのだが、お釈迦様に自分の子供を隠されて悲しみ、改心して子供を守る神となった。だから、パソコンでは表示できないけれど、一画目のノをとって角のない鬼の字を使うのだそうだ。
雑司ヶ谷鬼子母神にあるイチョウの大木は、「子授け銀杏」と呼ばれている。枝から垂れる気根を乳房になぞらえて、お乳の出が良くなるとか子供が授かると言って信仰されているイチョウの樹は各地にある。ここもそのひとつだ。
秋も深まり葉を落としたイチョウの樹は、こう言っては何だがちょっと不気味な形をしている。安産の神さまと子授銀杏とは絶妙な組み合わせだが、鬼から神さまになった鬼子母神のことを思ってこの樹形を見ると、「なるほどなぁ」と妙に納得してしまうのだった。