親木の梅
東京都青梅市梅郷6-1542(大聖院)
今日は吉野に来る途中に金剛寺に寄ってきたのだが、将門誓いの梅はすでに花が終わりかけていて空振りだった。それで、その梅から根分けしたという親木の梅はどうだろうかと大聖院に行ってみた。
その梅の木は、本堂の裏手でひっそりと花を咲かせていた。吉野梅郷の梅はこの木から始ったということで「親木の梅」と名づけられたと言うのだが、本来の親木はすでに無くこの梅は二代目だそうだ。
この木(の先代)を始祖として、昔から周辺では梅干しや梅酒の梅を生産してきた。江戸時代の地誌・新編武蔵風土記稿の下村(吉野村は明治時代の命名)の項には、「この邊は梅樹多き地なるがゆへに其實をとって江戸へひさぐ、大抵年ごとに百駄以上を出せりと云、又花の比は所々の梅樹積雪のごとくにして、幽賞いと奇なりと云」と書かれている。
吉野梅郷の中心から少し離れた、静かで落ち着いたたたずまいにホッとする。大きなしだれ梅がきれいに咲いていた。
※ プラムポックスウイルス感染のため、親木の梅を含む吉野梅郷の梅は2014年春までにほとんどが伐採されてしまいました