九ヶ村用水取水口跡
東京都昭島市拝島町5-13地先(水鳥公園入口)
以前から水鳥公園の入口に立つ水神の碑が気になっていた。一昨年の夏(2007/9)の台風9号の被害を受けて福生南公園が閉鎖されていた間、この碑を横目に見て迂回路へ上がっていったことで記憶に残っている方もいることだろう。
サイクリングロードがなければ訪れる人もなさそうなこんな場所で、祠も何もなく、ただシンプルに「水神」とだけ大きく彫られた碑は何を守っているのだろうか、と思っていた謎がやっと解けた。
ここには江戸時代の初めに開かれた九ヶ村用水の取水口があったのだ。碑は明治時代に樋管がつくられたときに建てられたものだという。サイクリングロードを挟んで川とは反対側にある中途半端な畑も気になっていたのだが、その奥に埋もれかけた用水の跡が残っていた。
気になると言えばもう一つ。ここから少し下流側で土手が切れ、並行して造られた別の土手に登り返す道になっているところがある。以前から信玄堤ではないかと思っていたのだが、これも正体がわかった。思った通りこれは霞堤(地元では「食い違い」)と呼ばれる構造で、洪水の際に堤の外へ水を出して堤防の決壊を防ぐ仕組みなのだそうだ。