激痛狛犬
東京都八王子市長沼町590(六社宮)
「ギャー!」という悲鳴が聞こえそうだ。長沼公園の入り口近くにある六社宮の阿形狛犬は、大きく口を開けすぎてアゴが外れ、金具で補強がしてある。
親子で遊んでいる狛犬は珍しくないけれど、ここの仔獅子は母親の尻尾にじゃれていて、力の加減を間違えて思いっきり咬んでしまったようだ。百獣の王といえどもかなりの激痛と見えて、少し涙目になっている。
向いの父親(吽形)はと見れば、我関せずといった顔付きで毬と遊んでいた。
のどかな長沼の里での微笑ましい一コマ。大正十二年(1923)作。