虎ノ門金刀比羅宮の銅鳥居
東京都港区虎ノ門1-2-7
「虎ノ門」とは強そうな名前だ。同じ江戸城の門のなかでも、桜田門や桔梗門では、風流ではあるけれど敵を撃退する感じがでない。
現在の虎ノ門に城門は残っていないけれど、虎が飾られた鳥居ならある。虎ノ門交差点の南西にある金刀比羅宮には、青龍・玄武・朱雀・白虎の四神が飾られた銅鳥居が建っていて、参詣客に睨みをきかせているのだ。
神社にはいろんな動物が棲んでいる。龍、獅子、獏、鳳凰などはよく見るけれど虎は珍しい、と思ったら、四国の金刀比羅宮本社には円山応挙が障壁画を描いた「虎之間」があるそうだ。描かれたのは天明七年(1787)というから、文政四年(1821)にこの鳥居を建てた人々はそれを知っていたのかどうか。
虎ノ門にかけて鳥居に虎を飾ってはみたものの、ちょっと唐突かなと思って四神にした。そんな江戸っ子の洒落っ気が見えるような気もしておもしろい。