忠犬ハチ公の碑
東京都港区南青山2-32-2(青山墓地 一種ロ6号12側)
「ハチ公物語」(1987、監督 神山征二郎)がハリウッド映画に翻案されて、8月8日から公開されている。ラッセ・ハルストレム監督、リチャード・ギア主演で、邦題を「HACHI 約束の犬」(原題は「Hachiko:A Dog's Story」)と言う。たぶん見ないと思うけれど、ラッセ・ハルストレムは好きな監督なので、どんな作品になったのかちょっと気になっている。
言うまでもないことだが、ハチは東京帝国大学(現・東京大学)教授の上野英三郎氏が飼っていた秋田犬だった。主人亡き後も、毎日渋谷駅に迎えに通ったという美談で知られている。昭和7年10月4日(1932)の朝日新聞に紹介されたハチは、軍国主義へと進んでいく昭和初期の時流に乗って、「忠犬ハチ公」として有名になった。
「忠犬」という冠は、今の人にはなじまないだろう。〜公も、エテ公やポリ公など今ではあまり良い呼び名ではなさそうだ。シンプルな"HACHI"というタイトルは悪くない。
青山墓地の東三通りを歩いていくと、中ほどの上野教授の墓の傍らに忠犬ハチ公の碑が建っていた。ハチは剥製になって国立科学博物館に収められているが、ここにも一部分骨されているらしい。
海外にまで広まった自分の話を、天国のハチはどんな思いで見ているのだろうか。