高飯堰(ゴム堰)
神奈川県藤沢市高倉-横浜市泉区下飯田町(高鎌橋下流)
境川の水面が、今にもあふれそうになって目の前に迫っている。濁ってもいないし激流でもないので雨が降って増水した訳ではないのはわかっているのだが、どうなっているのだろうと思っていたら滑らかに流れ落ちる滝が現れた。
ダム湖を造っていたのは周囲にひろがる田んぼに水を引く取水堰だったのだが、今までに見てきた堰と違った、何というか脂肪のついたメタボのお腹のようなぬめっとした感じが気になる。よくよく見ると、何とゴム風船で出来ているのだった。
正式にはゴム引布製起伏堰(ラバーダム)といい、必要の無い時には空気を抜いて普通の川に戻すらしい。
ダムといえば土木建築の代表とも言える重厚で強引なコンクリートの塊がイメージされるが、その対極にあるしなやかでフレキシブルなゴム堰は良いアイデアだと思う。規模的には無理だと思うけれど、開発か中止かでもめている各地の大型ダムにもこういう柔らかな発想があったらおもしろいのにな。