2009年9月6日(日)

聶耳記念広場

神奈川県藤沢市鵠沼海岸2-18 (湘南海岸公園内)

聶耳記念碑の案内

引地川河口の公園入口に、「耳耳耳耳」と彫られた不思議な石塔が目にはいった。海辺で「耳」といえば、ジャン・コクトーの詩が思い出されるけれど、それとは関係なさそうだ。よく見れば、「聶耳」記念碑と書かれている。中国人名でニエアルと読むらしい。

小さな広場に足を踏み入れると、海を背にして、若者で賑わう片瀬海岸の雰囲気にはちょっと場違いにも見える大きな碑が立っていた。すっぽりと透明のビニールシートで覆われているのは、落書きペイントに対抗するためか。

聶耳記念碑

碑の前のテーブルのようなものには「三」の字の形に突起が出ている。中国特有の祈祷の台か何かなのかと思ったら、「耳」の字をイメージしたモニュメントなのだそうだ。

聶耳は中華人民共和国(中国)国歌「義勇軍行進曲」の作曲者で、来日中の1935年、海水浴に来ていた鵠沼海岸で亡くなられたのだという。中国国歌と日本が、それも中華街のある横浜などではなく「東洋のマイアミビーチ」と言われる湘南の海が、そんな関係にあるとは思いもよらなかった。

毎年、命日の7月17日には碑前祭が開かれ、義勇軍行進曲が演奏されるという。加山雄三やビーチボーイズ(今の人ならサザンと言うのかな)がお似合いの湘南の海に流れる中国国歌の響き。なんだか不思議な感じがする。

聶耳記念碑の由来 | 「聶耳を記念する」の碑